第23回 新顔野菜、知ってますか?

14.ビーツ(テーブルビート)

 

地中海沿岸が原産とされるアカザ科フダンソウ属の根菜です。

砂糖の原料の甜菜(テンサイ)と同じ仲間にあたり、

ショ糖を多く含んでいるので野菜の中ではかなり甘い部類にはいります。

標準和名では火焔菜(カエンサイ)と呼ばれ、日本へは江戸時代初期頃に

持ち込まれたとされています。西洋から東欧にかけて身近な野菜として

親しまれていますが、なんと言ってもロシアの赤いシチュー、ボルシチには

欠かせない食材として有名です。

ビートと言えば中が濃い赤紫色の物が主流ですが、ビートのこの色は

アントシアニンではありません。ベタライン類と呼ばれる植物性の色素で、

赤紫色の「ベタシアニン」と黄色の「ベタキサンチン」によるものです。

このバランスによっていくつかの品種が生まれ、赤紫色の部分が黄色いものや

オレンジ色の物、赤紫の部分の幅が狭く白い部分が広いものなどがあります。

ビートは皮をむけば生のままでも食べることが出来ます。

薄くスライスして綺麗な縞模様を活かし、サラダなのに散らすと綺麗です。

茹でる時は皮ごと丸のまま茹でるようにします(色の流出を少なく抑えられます)。

ビート自体甘みがあるので、味を見ながら調味料の加減をしましょう。

 

15.はやとうり(隼人瓜)

 

メキシコ南部から南米北部にかけての熱帯アメリカが原産とされる

ウリ科ハヤトウリ属のつる性植物になる実です。アメリカではChayote(チャヨテ)、

フランスではchristophene(クリストフィーネ)と呼ばれメジャーな野菜の1つです。

日本には大正6年に最初に鹿児島に持ち込まれ栽培が広まったため

薩摩隼人の瓜という意味で隼人瓜と呼ばれるようになりました

ハヤトウリには果皮の色が白っぽいクリーム色の品種と、

薄い緑色の品種があります。白色種は比較的刺毛が多く、やや小ぶりです。

それに対し薄緑種はやや大きく、味的には少し青臭みが感じられ白色種に劣ります。

ハヤトウリは生のものは少し苦味がありますが、塩でもむなどすればなくなります。

また加熱調理したものはクセがほとんどなく、料理自体の味に包まれ食感だけとなります。

細切りにすればシャキした食感、そこそこ厚みを持たせればコリコリした食感が味わえます。

生でサラダや和え物や浅漬け、火を通してスープや炒め物などにも幅広く使える食材です。

 

いかがでしたか?

これらは一部で、まだまだたくさんの種類が存在します。

新顔野菜には通常の品種より栄養価が高かったり、味の良いものも多いので

買い物の際に見かけたら是非!手にとって、ご家庭で話題づくりの

ひとつとして、お料理にチャレンジして見てください。

 

※出展:旬の食材百科より